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2014-06-06

「お医者さん」と「料理人」

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「デザイナーズ◯◯」という言葉が世の中で蔓延している中、デザインが曖昧なイメージで、ひとり歩きしていることが多々あります。

おそらく数多いるデザイナーそれぞれにも「デザインとは?」と問いを投げかけると、幅広い答えが返ってくることでしょう。多分野で、デザインが存在することも起因しているのかもしれません。

“design”という言葉を和訳すると「計画」「企画」や「設計」「図案」などに、日本語では表現されています。その意味と親和してか、デザイナーが例えられることの多い別の職業は「お医者さん」と「料理人」です。

「お医者さん」の意味するところは、デザインの「計画」「企画」の意味が強く出ており、コミュニケーションにおいての治療(改善)が表現されていると考えられます。情報過多の現代では、広告やパッケージ、Webなどで何かを「伝える」ということそのものが、非常にハードルが高くなっています。デザインで、伝えるためや機能を美にするために、お医者さんの問診のようなヒアリングを経て、外科的にガラリと大きくイメージ変更や、内科的にじっくりと伝達方法を整えて行く様など、仕事の展開もコミュニケーションの観点で非常によく似ています。

「料理人」はデザインの「設計」「図案」の意味が強く出ており、実際のビジュアライズの過程が表現されています。グラフィックでは写真やコピー(文字)、プロダクトでは鉄や木などを「素材」と言い表したりします。お味噌汁でも、料理人によってそれぞれの味が表現されるように、デザイナーもまた木の椅子をデザインしても、それぞれのカタチが生み出されます。デザインでは造形に注力して完成度を高めて、魅力的なカタチを創り出すことで、先述の「計画」「企画」がグンと活きてきます。

この「計画」「企画」や「設計」「図案」の両輪がうまくはまって回っていないと、強いコミュニケーション力は決して生まれません。社会の中でポジティブに機能するデザインを目指すためにも、どちらも疎かには出来ないのです。

本日も、ありがとうございます。色々な角度から考えるデザインも、とてもおもしろいですね。

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