2016-02-29
声色を選ぶこと
昨年開催された、第53回 岡山市芸術祭について。
今回、リーフレットを2色の展開としたコミュニケーションや、表紙ではタイポグラフィのみの設計で、かなり思い切ったデザイン戦略を採用していただきました。おかげさまで、連動したポスターなどから事務局へ問い合わせもあったそうですし、ぼく自身も市芸術祭について聞かれることも多かったので嬉しかったですね。
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リーフレットやポスターについては下記に書いています。
芸術に触れる旅へ
https://hidetosato.com/archives/1070
媒体特性
https://hidetosato.com/archives/1204
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書体設計について、クライアントにはいつも「書体を選ぶこと」は、そのブランドやプロジェクトのキャラクターを表現する「声色を選ぶこと」とお伝えしています。
このプロジェクトでは、53回も続いている芸術祭の特性に合っていると考えて、すべてスタンダードで普遍性の強い書体を選択しています。また、キャッチコピーの明朝体以外の部分では、和文と欧文それぞれ異なった書体を合成してつくったフォントでデザインしました。
ですので、三種類のみという限定した書体数でデザインしています。
見出しなども文字の大きさを変えたり、括弧など約物を効果的に使いながら設計したので、表紙や中面は一見すると一種類の書体しか使っていないようにみえると思います。情報量もかなり多かったので、スッキリと整理した印象を文字からも表現できればと考えました。
「文字の世界」は本当に奥深く、じぶん自身、研究していてとても楽しいですね。
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