toggle
2015-01-13

メインビジュアルの原画について

150113_+Thinking_21P_1

昨日12日(月祝)は、福武教育文化振興財団フォーラム 「ここに生きる、ここで創る」のVol.4「地域の明日のつくりかた」に参加いたしました。地域からビジネスや文化など様々な価値の生成や発信、定着することについて密度の濃い情報を美しい空間で聞くことができ、有意義な時間となりました。

会場では今回コミュニケーションツールに展開した原画も展示させていただきました。制作意図をA5サイズで印刷して来場者の皆様へお渡しさせていただきましたが、こちらにも全文を下記アップさせていただきます。


メインビジュアルの原画について

150113_+Thinking_21P_2

インターネットの普及から現代では地球の裏側である状況でさえ、瞬時に知ることが容易になった。伴って「世界」は身近になり、国際化の進行は加速している。

相反して、近年では「地域」の価値も再発見されて顕在化している。今尚「地域」に存在する文化の歴史は、積み重なり深化し続けている。

「福武教育文化振興財団フォーラム」は、文化芸術活動を通じた「地域づくり」について「考える場」の創造を目指して開催している。

テーマは「ここに生きる、ここで創る」。

文化を紡いでいく方法の核心が、この言葉の中には在ると感じる。人がその場で活動を重ねていくことで歴史が生成されて、文化が育まれるのだと考える。

今回Vol.4のタイトルは「地域の明日のつくりかた」である。そのポスターやフライヤーなどを、HIDETO SATO DESIGNでデザインをさせていただいた。

展開したメインビジュアルもタイトルから着想を得て、絵の具を使って手で描いた。その原画をコンピューター上へ取り込んだ後に図案化した。

デジタルだけでは表現できない物質的な色彩の重なりから「地域の明日」を「つくる」ことのポジティブな表現を意図した。そして、地域活動における「土の匂い」のような部分も想いとして込めた。

デザインは、主として経済の中を活動範囲とする。そこには様々な目標を掲げながらも「伝達」ということを最優先に、着地として「表現」という文化の要素も内包する。

今フォーラムでご縁をいただいたデザインでも、その側面を意識して制作に臨んだ。地域文化への積層に、刹那でも刺激になれば幸いである。

アートディレクター 佐藤 豪人


導入の写真はお渡しした制作意図で、文章中にでてくる写真は原画をスキャンしたものです。

アナログとデジタルを行き来するような手法で着地できたこともとても良い経験となりました。

ありがとうございました。

関連記事