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2015-06-11

デザイナーとマーケター

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デザインの職域が拡張され続ける現代では、マーケティング感覚を持ち合わせたデザイナーも少なくありません。コミュニケーションの観点から「情報」を扱うデザイナーでは、ともなって数的意識の高い方が多いことも由来しているのかもしれません。デザイナーの中には「数学が好き」という方もおそらく多くいらっしゃると思います。

そのため価値の提供や向上などに着眼した際、デザイナーとマーケター双方の仕事の在り方は非常に似ている点があるように感じます。ですが、デザイナーとマーケターの方法論で大きく異なった点もあります。

それは時間軸です。

マーケターはこれまでの数的調査や過去の成功例から導き出した指標から、様々な計画を立案することが多いです。一方でデザイナーは、ヒアリングや市場予測から「数年後にはこうなっているだろうな」というイメージを明確にして「こたえ」をいくつか導き出します。よく言われるデザイナーの「一歩先」(半歩先)というキーワードはこのような思考の過程があるためと考えられます。

各種プロジェクトで、どちらの職域も「良くすること」というミッションは同じはずです。双方の考え方が異なっているとしても、どちらの時間軸にも「現在」は必ず存在します。理想としては、マーケターの過去の分析と検証から生まれる「未来」と、デザイナーが視覚化する「未来」に在る「こたえ」が「現在」と結ばれて一本の道筋上にあることです。チーム内にデザイナーとマーケターがいる際は、「現在」「過去」「未来」それぞれ時間軸の在り方を理解して、その道をポジティブに結ぶことが重要だと考えています。

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