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2019-10-29 | INTERVIEW, BLOG

TO | 着付け師・岸本浩加さん | Vol.1| 二人の出会い

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 About “TO”

HIDETO SATO DESIGNがデザインやブランディング、コンサルティングに携わっているクライアントや、クリエイティブのチームとして共にしているパートナーへインタビューをする企画です。

Text & Photo: Sayoko Hirai | HIDETO SATO DESIGN |


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はじめての“TO”は、ブランディングやプロデュースを行う“キシモトヒロカジムショ” と、“おもいを受け継ぐ”をコンセプトに着物教室を営む岸本浩加さん。ご自宅にお伺いすると、着物姿で出迎えてくださいました。

丁寧に磨き上げられた階段を上ると、その先には菊の花が。なんとその日は重陽の節句で、菊の花を飾って祝うのが習慣だそう。日本的な美意識の高さに感動しました。

お部屋へ案内していただいた後にも、日本伝統のおもてなしが続きます。可愛らしいお菓子とともに、お茶を振舞ってくださいました。背筋を伸ばし、指先まで神経を行き渡らせた所作の一つ一つは、美しく無駄がありません。

心まで満たしていただいたところで、話は二人の出会いのきっかけへ。


Vol.1
二人の出会い


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佐藤:たまたまでしたよね。

岸本:そう、共通のフォトグラファーがいて。

佐藤:僕がそのフォトグラファーと打ち合わせしてるときに、浩加さんが。

岸本:そう!迎えに行ったの。そこで初めて名刺を交換して、それからだったね。

佐藤:最初のご相談は「本をつくりたい」とのことでした。

岸本:そうそう。着物のコーディネート本をね。それも、生徒さんのご家族から引き継がれた着物の一家に一冊の本をね。

佐藤:それで僕は、それもいいですけど、浩加さんのそもそもの部分をデザインすることで、ブランドづくりをされたほうがいいんじゃないですかっていう話をしたんでしたよね、たしか。

岸本:うんうん。

佐藤:それですぐに「やる」となって、かなり早い段階で決まりましたよね。

岸本:そうしたら、あっという間にこんな感じになったね。

佐藤:そうですね。最初はコーディネート本だけつくるようなイメージだったのに。

岸本:まさか自分のホームページまでつくるとは(笑)

佐藤:今のところ、コーディネート本はつくってないですもんね。

岸本:つくってない(笑)今はコーディネートをさせてもらって、それをフォトブックに綴じて、お客様に差し上げてるの。そうしたら、「すごく嬉しい!良かったぁ。」って。そのお着物っていうのが、お姑さんからいただいたものがほとんどだったのね。それでフォトブックをお姑さんにも見せてあげたら、もうすごく喜んでくれて、また色々な話が広がったの。

佐藤:へぇー!

岸本:「私はこれがしたかったんだ!」って。なんだ、変にこだわらずにフォトブックで良かったんだって思った。

佐藤:しかも、段々と良くなってますよね、フォトブック。質というか。

岸本:うん、良くなってる。

佐藤:しかも低予算でできますし。

岸本:そう!価格を抑えてできるっていうのがやっぱり一番!元々は、すっごい装丁もちゃんとして、っていうのが私のイメージだったけど。

佐藤:写真の撮影まで考えると予算が大きくなるから…。

岸本:そうそう。要は気持ちっていうか、おもいが伝わればいいんだなって思った。

佐藤:同感です。

岸本:こだわりすぎて色々とプラスされたものよりも、シンプルでおもいだけをしっかり伝えるもののほうがいいのかもなって気づいた。

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佐藤:その「おもい」という言葉は、当時からありましたか?

岸本:うーん…おじいちゃんやおばあちゃんからの“おもいを受け継ぐ”っていうのは、昔からあったかもしれない。

佐藤:なるほど。

岸本:そこが私の一番伝えたいところだったので。

佐藤:それをしっかり言語化したのは、ホームページをつくったときですか?

岸本:うん、ほんとにそうですね。なんで着物をやるのかっていうことを、ホームページをつくるときに考えさせてもらったかもしれない。

佐藤:では、それが自分の気持ちの整理につながったりもしましたか?

岸本:うん、それはある!何でもそうだけど、ものをつくるときって、ただ自分がやりたいからっていうよりも、どうしてこれをつくるのか、そこをしっかり持っていたほうが、そのもの自体に意味が込められると思うの。つまり、ただの「もの」じゃなくなるの。

佐藤:自分自身にも思い入れが出てきますよね。

岸本:ただ「形がいい」とか「オシャレ」っていうよりも、それを使う人たちにとって便利なものであるとか、そういう考え方が入るほうが、ね。

佐藤:あぁ!そういうことか!その中で自分の考えが整理されたり、何かしら気づきがあったりということなんですね。

岸本:うん、そうそう!

佐藤:それがつくる過程の中で整理されるんですね。

岸本:そういうおもいの入ってる商品って、やっぱり売れるんだよね。

佐藤:そうですよね、たしかに…! この“おもいを受け継ぐ”っていう浩加さんの理念は、どこからやってきたんですか?

岸本:うーん、よく考えてみると、小学生のころから着物を着させてもらってたのよね。それはお琴の発表会だったんだけど、着物が私と母のつながりみたいなものだったんです。

佐藤:なるほど。

岸本:忙しくしてた母なので、どこか旅行に出かけたりっていうのがない家だったんです。ただ、夏の浴衣は母が縫ってくれて、その過程での会話が大切だったんですね。

佐藤:ほほぉ…。

岸本:「お母さんこういう柄が好きだから、今度の発表会で仕立ててあげよう。」みたいな会話があったり、好きなものの共通点が着物だったのかもしれない。

佐藤:そういう原体験が、「ファミリー」という考え方につながっていくんですか?

岸本:そうですね、うん。

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佐藤:この“おもいを受け継ぐ”っていうのは、ヒト、モノ、コトに関わるってことじゃないですか。それらに対して、浩加さんのほうから近くに行く感覚なのでしょうか?それとも、向こうから来るという感覚ですか?

岸本:えっとね、過去が私に寄ってくるって感じ。

佐藤:あぁ、そうか…!時間軸なんですね。

岸本:そうそう。母が持ってる着物も母のお母さん、つまり、私にとってはおばあちゃんから受け継いだものもあるし。その受け継いできた一つ一つの着物って、思い入れが強いものばかりなんですよ。どうでもいい着物は処分されやすかったりとか、シミができてたりとか…。でもたとえシミができてたとしても、「この着物はおばあちゃんがすごく大事にしてたもの!」って思ったら、シミ抜きしてでも着ようってなりますよね。

佐藤:なるほど。

岸本:そういう先祖からのおもいとか、そういったもの。

佐藤:そうか、やはり時間なんですね。

岸本:そう、時間なんですよ。

佐藤:おもしろいです。

岸本:でも、その「つながり」っていうのは、血のつながりだけじゃなくて、職人さんとかもなんですよ。職人さんっていったら、時代を越えて遡って、その技術とかおもいまで受け継げるの。だから、着物の“おもいを受け継ぐ”って、結構ヘビーなのよ(笑)

佐藤:たしかに(笑)

岸本:軽々しくものを受け継ぐだけじゃなくて、もう日本全体の文化を受け継ぐくらいの感覚です。


次回は、岸本さんが着物教室をされる理由についてご紹介します。キーワードは“感性”です。


Vol.1 二人の出会い

Vol.2 心を豊かにする着物

Vol.3 “岸本浩加”をデザインする


岸本浩加 | 着付け師・小笠原流礼法講師 岡山市倉敷市
https://hirokakishimoto.jp

着物の念いを受け継ぐ
https://hidetosato.com/archives/2231


2019-10-20 | BLOG

デザインのモヤモヤ

昨日のJAGDA中四国ブロック大会 in 愛媛「デザインのモヤモヤ」は、おかげさまで盛会のうちに終えることができました。

お話した内容についても大会終了後に、ご来場の方々や日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の佐藤卓会長まで「よかった!」と直接お声かけいただき、ホッとしています。

また自分自身、他地域の方々とご一緒することで気づきや勉強になることが、今回もとても多かったです。これからも誠実にデザインへ向き合っていきたいと、改めて思える一日になりました。

そして今回、運営をご担当された愛媛の皆さん。

これだけたくさんのご来場者を達成された上に、隅々まで行き届いたおもてなしの精神に感動しっぱなしでした。大会の成功は綿密な企画や下準備があったからこそなのだと、まさに気配りのデザイン。

本当にありがとうございました!

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2019-10-19 | BLOG

「契約」について

愛媛、松山へ。地域のデザイナーによる、地域のための地域デザイン。JAGDA中四国ブロック大会 in 愛媛に向かっています。今回のテーマは「デザインのモヤモヤ」です。

僕は第2部で「契約」について考えや進め方、実例などをお話させていただきます。クリエイティブコンサルティングやデザインマネジメントに力を入れて活動する中で、今回の資料づくりは言葉の整理の良い機会となっています。

なにはともあれ昨晩の雨から晴れ間(^^)
今日の瀬戸内も美しいです◎

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備前市里海里山発信 | 交通広告 | ポスター

備前市里海里山発信のポスターをクリエイティブディレクター&シェフは寺田真紀夫さん、フォトグラファーは加藤晋平さん、そしてアートディレクター&デザイナーに弊所というチームで制作をしました。

「ここで、育まれる。」と考えたコンセプトからキービジュアルを、寺田さんの料理と備前の海を加藤さんに撮影していただきました。シェフ、フォトグラファー、デザイナーと異分野のクリエイター三者がディスカッションをしながらつくりあげたビジュアルは即興の感覚もあり、デザインをしていてとても新鮮でした。

掲載は京都、新大阪、関西空港などを含むJR近畿圏主要駅や岡山県内各駅、岡山を走るほぼすべての路線の車両内です。

現在、瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流が開催しているこの機会に、ぜひ備前日生へお越しください。


Credit
日生産 ロクエビ チップス
日生湾

Creative Director & Chef: Makio Terada
Art Director & Designer: Hideto Sato
Photographer: Shinpei Kato

Client: 備前市里海里山ブランド推進協議会


ristorante Terada
https://www.okayamaterada.com/

Kato Shinpei Photo – Photography
https://katoshinpei.net/


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ファジウォーカー2019 | 交通広告 | 両備バス/岡電バス

ファジウォーカー2019では、両備バス/岡電バスともタイアップをして運行しているファジバスに交通広告が展開されています。

デザインは今年度の「Love = FAGiWALKER」というコンセプトワードを軸に、写真家の加藤晋平さんが昨年撮影したキービジュアルとファジアーノ岡山から提供の写真をポスターにしました。写真はすべて違うのと、バスの色々なところに棒人間さんがいるのでさがすのも楽しいと思います。

ファジバスは試合時間に合わせて走っています(詳細は下記URL)ので、この機会にぜひご利用ください!

FAGI BUSが運行開始します!(9月14日より)
https://www.fagiano-okayama.com/news/p1473055189.html?fbclid=IwAR1WSFvhvBlSkV1FAxFhXQM_vBaGUvi2V8XkVztOpRWmrXBtu0WptbTY5Rk


第11回 EST交通環境大賞 奨励賞 受賞


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ファジウォーカー2019 | 交通広告 | JR西日本

ファジウォーカー2019も、JR西日本とタイアップをして岡山駅や電車に交通広告を展開しています。今年度の軸は「言葉」で、コピーをメインにビジュアル構成しました。それぞれの言葉から表現した棒人間さんたちもポイントです。


第11回 EST交通環境大賞 奨励賞 受賞


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ファジウォーカー2019 | VI

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2019年の「ファジウォーカー」もこれまでに引き続き、ブランディングやデザインを担当しています。

コンセプトは“Love = FAGiWALKER”。ファジウォーカーは、やさしいアクセス。それは、「愛」があるからこそできる行動なのだと考えました。

現在、JRの駅構内や電車内、両備バス/岡電バスにポスターが展開されています。今年度のビジュアル展開の軸は「言葉」です!


やさしいアクセス
http://yasashii-access.info

ファジウォーカー
http://yasashii-access.info/fw

ファジウォーカー | Instagram
https://www.instagram.com/fagiwalker

ファジウォーカー | Facebook
https://www.facebook.com/fagiwalker


第11回 EST交通環境大賞 奨励賞 受賞

2019-09-10 | BLOG

凛とした一服

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昨日は訪問先でいただいたお抹茶と和菓子に感動しました◎
凛とした一服の力も働いて、この後のインタビューもすごく良い時間に(^^)

2019-09-04 | BLOG

多くの刺激

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ここ最近は仕事のご縁で、様々な農家さんの訪問へ。

取材でこだわりから想いなどお聞きできることはとても楽しいですし、ぼく自身もつくり手として多くの刺激をいただいています。

今日は、いちじくと桃の農家さんへ。

先日のぶどうや卵もすごく美味しくて感動しましたが、今回のいちじくと桃も絶品です(^^) 。

こうやって素晴らしいヒト、コト、モノに出会えるデザイナーの役得にも感謝。

2019-09-04 | BLOG

話すこと

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昨日は専門学校 岡山情報ビジネス学院(OIC)で「デザインとブランディング」の演題で、お話をさせていただきました。講演の機会は、自分自身やスタジオのことについて整理にもつながるので、ありがたいです。

10月には愛媛の松山市立子規記念博物館で「契約」のテーマで、第2部のパネルディスカッションに登壇させていただきます。詳しくは下記のFacebookページをご確認ください。

道後の温泉も魅力ですよ〜◎

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JAGDA中四国ブロック大会 in 愛媛
デザインのモヤモヤ

□Facebookページ
https://www.facebook.com/events/312397912872422/

□2019年10月19日(土)
 14:00-17:00(開場 13:30)
□松山市立子規記念博物館 4階講堂
□無料(事前予約制)

2019-08-08 | BLOG, NEWS

夏季休業のお知らせ(2019)

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誠に勝手ながら下記日程を夏期休業期間とさせていただきます。

2019年8月17日(土)~2019年8月22日(木)

休業期間中にいただいたお問い合わせにつきましては、8月23日(金)以降順次回答させていただきます。

通常の夏季休業期間からは外れており、皆様には大変ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。

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